継続的にアプローチするツール
継続的に社名や商品の情報を視界に入る有力なユーザーの前に提示することが出来れば
どんなに素晴らしいことだろうと多くのマーケッターは考えています。
しかし、それは至難の業。まずは、継続的に手元に置いておきたいと思うニーズを誘発できなければなりません。
それとは別に、提供者の本来の目的である社名や会社の情報、商品などが的確に表示されていなければなりません。
古典的で、泥臭い手法ですがFAbはカレンダーに着目し提案しています。

A型デスクサイドのPOP事例や
ご注文方法はこちらでご覧いただけます。特設サイト

情報を伝える

PCサイドカレンダー

あるタスクが発生したとき、無意識にカレンダーを探したり、手帳を探すと言ったこと行うのは良くあることです。デスクストップカレンダーと言われる領域の市場では、そんな方々のニーズから幅広く支持されています。多くの場合月単位でA5サイズ以下のサイズが基本になります。


そうしたユーザーニーズを持つ方々の声を傾けて行くうち、あることに気づきました。翌月や夏のバカンス、秋の連休など、かなり先のスケジュールを確認するとき、まず最初に見るのがデスクトップカレンダーでした。しかしデスクトップカレンダーのほとんどはマンスリーで、そのために手にとって該当する付までめくるという作業が発生することも分かりました。











デスクトップカレンダーの市場はどうでしょう。ビジネスユースのデスクトップカレンダーのほとんどは販促品でした。つまり、ユーザーは無料でもらうカレンダーを利用していました。一方で、年末になると文房具関係の店舗、本屋さんなどもカレンダーは手帳と共にかなりのスペースを確保して販売しています。その中で、デスクトップカレンダーも一定の面積を確保しています。


このことは、有料の市場を形成するほど、1年間自分の気に入ったカレンダーで過ごしたいというユーザーニーズがあること。お金を払ってまでカレンダーを買うニーズは無いけれど、便利なら使ってみたいという2つの市場があることを示しています。カレンダー全体では400億円規模(ただし、減少傾向)の市場と言われ、そのうち20%から30%が卓上と推測されるデータもあります。


こうした分析とディスカッションの末に誕生したのがPCサイドカレンダーでした。


PCサイドととは、パソコンの近くに置かれるという定義ですので、近年ビジネスのデスク廻りではノートタイプが主流になる筒あることを考えれば、それほど大きなもには出来ないという制約があります。また、先の調査でも分かるとおり、マンスリータイプが多い中で、利用ニーズとのミスマッチを起こしている来月、数ヶ月先の予定把握の第1歩としての役割を果たすためにも、年間で見渡せることが大切です。サイズは小さく、カレンダーは数ヶ月は見えるようにする。そして、PC廻りと言うことは、販促品としてユーザーの手元に渡ることが最も市場へのリーチが短いと言うことです。

発注ユーザーのベネフィット

こうした要件を備えているカレンダーを制作するのが今回のプロジェクト目標となりました。まず、サイズですがA5よりもできるだけ小さいこと。販促品である以上、競争力のあるコストを実現するためにできるだけ工数を絞り込んだ製品にしなくてはならないこと。

そして、販促品として魅力あるものにするためにも制作コストを負担する発注ユーザーにとってのベネフィットを持たせることが重要です。つまり、利便性を考えたサイズと必要な情報を取り込まなくてはならないというトレードオフの関係にどのように回答するかが重要な鍵となります。






























様々な試作を経て完成したのが、縦型でA型スタンドタイプのカレンダーでした。カレンダーは6ヶ月ごとに一覧でき、裏返せば残りの6ヶ月を見ることが出来ます。さらに、上下に余白スペースを設けて、発注ユーザーの情報を掲載することも可能です。


スペースには最低3行の表示ができるスペースを確保し、キャッチ(訴求したいこと)社名(情報発信者との関連づけ)連絡先(ニーズ発生時のコンタクトルート)を表示出来るようにしました。また、コスト面では小規模店舗から大規模な企業まで生産数量とコストに大きな開きがあることから最低ロットは100個程度から1000個までを定価発注できるものとし、それ以上は見積もり対応としました。少額の場合発注ユーザーはまずコスト面でのハードルを越えておきたいというのが、ニーズとして高かったからです。


次に、発注ユーザーが実際の利用ユーザーに手渡したとき、最初の段階で「おもしろい」「べんりそう」と言った所有を意識して頂けるような魅力を持っていなければなりません。そして、利用ユーザーが意図に沿って利用(今回の場合PCサイドに置いてもらう)してもらうだけ便利さが無ければなりません。


このようなハードルを越えて利用ユーザーに届いたとき、利用ユーザーはスケジュール管理の最初の一歩としてカレンダーを日常的に視界に入れて下さる。その時、発注ユーザーの情報を常に目に入れることになる。そして、発注ユーザーが得意とする分野で、利用ユーザーにニーズが発生したとき、コンタクトが発生し。発注ユーザーの目的が達成されるのです。

検証不能なユーザーベネフィット

2014年暮れ、完成した年間カレンダーの発注ユーザーの感触を掴むため、ユーザーにアプローチしました。知り合いの企業から、DMによる投げ込みなど、コンタクトの方法は様々。アプローチした業種は、小規模飲食点(特に年末忙しく1月頃時間が出来る日本そばや料亭、居酒屋関係)、個人規模の弁護士、税理士関係などでした。


発注ユーザーの第一印象は「これありだね・・」つまり商品としては認知出来るところまで仕上がっていたと言うことです。そして、コストは「いいんじゃない・・」これも発注規模に対してコストがある程度バランスしていることを示しています。そして実際の発注はアプローチの規模が300社程度であるのに対して60社20%程度でした。


高いと見るか、低いと見るかは別として面接可能であったユーザはほぼ100%上記のような好印象であったことです。つまり、良いと思っても、時期や取引先との関係、決定権者との関係など様々な阻害要因が、発注までのプロセスの阻害要因となっていると言うことです。その意味で、決定権者までのリーチが今後の課題となっています。
































さて、カレンダーを発注して下さった発注ユーザーのベネフィットですが、一概に数値化できないのが苦しいところです。ですが、いくつかの企業様より「1.2月の見積もり案件が増えた」という話。「お客様がおもしろがってくれた」「かわいいと言っていた」「わざわざ別の担当者を呼んで紹介してくれた」などの声を頂きました。


見積もり案件については、必ずしもカレンダーだけでなくその企業様の企業努力があってこその結果と思いますが、見積もりを依頼しているお客様のそばに、カレンダーがあったと想像するだけでうれしくなってしまいます。また、カワイイと思って下さったお客様がどんな風に利用しているのか想像するのも明日への勇気につながります。


先日、発注ユーザー様から「お客様に渡そうと思って作ったけれど、けっこう社員が使っているんだよね」という声をお聞きしましたこれなども、利用という視点から考えるとエンドユーザーでの活用が見えるようでうれしい知らせでした。

事業用カレンダーの専用ページを開設しました。是非ご覧下さい。

文具と人の手

手の動きをみつめる  A motion of a hand is gazed at.

次回は、ある文具商品の閉塞状況を破るために、新しい機能を付加するまでの課程をご紹介します。便利さの追求とコストのとの狭間の中で、現状の生産ラインを生かし、長い流通過程のどこにターゲットを絞り込むか?多くの課題のなかで参画した人々が苦悩した状況をお伝えします。